「フリーランスでも契約書って必要なのかな?」
「なんとなく仕事を受注して今まで来たけどそろそろ契約書を作ってみたいな」
このようにフリーランスの契約書についてお悩みではありませんか?
会社勤めだった頃は必ず交わしていた契約書も、フリーランスになってからは交わしたことがないという方も実は多いです。
そう考えると「契約書自体必要ないんじゃ?」と考える方もいらっしゃることでしょう……。
しかし結論から言うと、今後のトラブル回避のために契約書は必ず作ってください!
契約書はあなたの盾になってくれます。
そこで今回は、フリーランスがチェックしたい契約書のポイントと注意点、おすすめテンプレートについて解説します。
なぜフリーランスでも契約書を作る必要があるのか?
フリーランスでもフリーランスじゃなくても、契約書は必ずしも必須ではありません。
ではなぜ契約書を作るのかというと、契約書を作成したほうが契約内容をしっかり整理でき、仕事を受ける方も働きすぎるなど防げる上に委託する方も満足できる商品を受け取りやすくなるからです。
契約書を作成しなかった場合の例を以下に記します。
契約書を作成しなかった例
契約書なしでサイト制作の仕事を請けたあなた。
よくあるコーポレートサイトを作るとして、1週間ほどで形が出来上がったので納品したところ、クライアントさんより修正してほしい個所がいくつか上がってきたら当然修正します。
修正後、また納品すると次は別の箇所を直してほしいと連絡がきて、修正したと思ったら次はなんと作り直してほしいと連絡が!段々納得がいかないものの、終わらないと報酬も受け取れないのであなたは頑張ってサイトを作り直しました。
やっとOKが出たと思ったら運営やその後の修正も更に任されることに……。
そこまでは、と断るも「ここまでやってくれるもんだと思ってた」とクライアントさんも不満な様子。
納品後も取り決めをしなかったばかりに、無料で修正・運営をすることとなったのでした……。
仕事を請ける方にとってはトホホな結果となるなんてことは、実はフリーランス界隈ではよくある話だったりもします。
こういったトホホを防ぐのがまさに「契約書」なんですね。
契約書は気持ちよく仕事を始め終えるために必要なもの
上の例で契約書をしっかり作っておけば、修正する際もどの程度なら修正できて作り直しになると追加報酬が発生するなど、また運営はまた別になるなども含めたら納品後のタダ働きも回避できたわけです。
クライアントさんも、この金額でこれくらいしてもらえるというのがはっきりするので求めすぎることもありませんし、「あれもこれもしてもらえる!」と考えていたところに「これはできません」と断られるガッカリ感も味わわなくてすむため良い結果になりますね。
契約書とは双方、気持ちよく仕事を始め終えるために必要なもの。
フリーランスだからこそ、契約書は必ず作っておきたいですね。
契約書のポイント・注意点
フリーランスこそ契約書を作成したい理由がわかったところで、契約書のポイント・注意点をみていきましょう。
契約書のポイント・注意点は以下になります。
- フリーランス側から契約書の締結を提案する
- 当事者欄に書く情報に「住所」もしっかり含む
- 仕事の範囲
- 再委任OKの了承
- 実績公開の了承
- 報酬や税・振込について
- 着手金はあるのか
- 納品・検収の期間や修正の対応
- 納品者のミスがあったときの修正対応はあるのか
- キャンセル料
- デザイン確定後の仕様書変更
- 著作権はどちらにあるのか
- 秘密保持について
- 不可抗力で業務が遅延したり完了できなかった場合
それぞれポイントや注意点をふまえ解説していきます。
フリーランス側から契約書の締結を提案する
最も大切なポイントですが、契約書の締結はフリーランス側から提案しましょう。
これからお伝えするポイントを見るとわかりますが、契約書をフリーランス側から締結しないと困る場合があります。
例えばデザイン確定後の修正で追加料金をもらえなかったり、仕事の範囲がデザイン以外にも及んだりなど、想定している範囲外の仕事が増える可能性があります。
必ず、フリーランス側(制作者側)から契約書の締結を提案しましょう。
当事者欄に書く情報に「住所」もしっかり含む
契約書の当事者欄には以下の項目を含めます。
- 住所
- 会社名
- 代表者
これらは発注者と受注者どちらも記載するわけですが、たまに住所を記載しない場合もあります。
しかし住所が記載されていない状態(会社名と代表者名しかない状態)だと、当事者が誰かわかりづらくなるおそれがありますので、住所も必ず記載するようにしましょう。
また、仕事を依頼した人と発注者が別である場合もありますので、その場合も発注者が誰なのかを契約書に記載すると安心です。
仕事の範囲
仕事の範囲はとても重要です。
ここが最初に合致していないと、最終的にどこで終わりかお互いがわからない状態でモヤモヤしたまま終了となる事もありえます。
スッキリと仕事をするためにも、業務範囲は最初に決めておきましょう。
例えばサイト制作であればサイト制作完了までが仕事なのか、またはサイトを納品後の更新まで仕事なのかを明確にしておく必要があります。
また、サイト制作にはレンタルサーバー・ドメインの契約も含まれるかなども確認しておくと良いですね。
クライアントさん自身も右も左もわからない状態であることも多いため、こちらから伝えるとよりスムーズです。
再委任OKの了承
こちらは個人個人で違いますが、もし再委任する可能性がある場合は再委任OKの了承も入れておきましょう。
実績公開の了承
折角、仕事をするのですから実績公開の了承も予め契約書に含み取っておきましょう。
実績公開の了承を予め取ることで、今後自サイトなどで実績公開したい場合に実績として公開できるようになります。
逆に了承をとらないと、勝手に公開した場合トラブルのもとになりますし、後々了承を取るというのも手間ですので契約書に含んでおくのがベターです。
報酬や税・振込について
報酬はどれくらいなのかもとても大切な項目です。
報酬自体は、契約書に書かれていないこともあります。
その場合も別で協議するのか、仕様書に書かれているのかなどは記載されていますので、報酬自体が書かれていない場合はそちらを確認してください。
また、内税か外税かも見ておきましょう。
報酬についてチェックするポイントをまとめると以下になります。
- 報酬額
- 報酬は内税か外税か
- 支払い方法
- 振込手数料は誰が負担するのか
- 支払いはいつ行うのか(発注前・発注後)
- 支払期限はいつか
着手金はあるのか
仕事によっては着手金として報酬の一部を仕事開始前に頂ける場合もあります。
着手金があると、俄然仕事へのモチベーションも上がりますし、大きな仕事であればあるほど期間も長いことが多いので、報酬が入るまでの生活を心配する必要も薄くなります。
フリーランス側が助かる着手金ですが、クライアントさんも先払いしている分、しっかり仕事を頼みやすくなるメリットもあるのでどちらに対してもメリットがあります。
もし着手金を契約書に盛り込む場合は、報酬の何パーセントかを決めて着手金がある場合のメリットも記載しましょう。
例えば、着手金があった場合はすぐに業務を始める・納品が早くなるなどのメリットがあると良いですね。
そして時々、クライアントさん側の都合で仕事自体がキャンセルになる事もありますが、その場合着手金の返金はないと書いておくとより安心です。
納品・検収の期間や修正の対応
クライアントさんへ納品しても、大体が修正対応することになりますよね。
しかしクライアントさんによっては修正指示が遅すぎたりすることもあります。
そうなると終了がどんどんずれ込みますし、フリーランス側からしても不安な時間を過ごすことになりかねません。
ですので、契約書には「納品後〇日以内に連絡がない場合は承認されたとみなします」といった旨を記載しておきましょう。
これで、例えば10日であれば納品10日時点で承認されたとして仕事を完了できます。
修正回数を決めよう
何度も修正を頼むクライアントさんも中にはいらっしゃいます。
その場合は、別途料金が発生するのかも予め決めておくと安心です。
よくあるのが「5回までは無料修正可能、6回以降は別途料金が発生する」という形です。
このように修正回数を予め決めておくことにより、クライアントさんもしっかり修正箇所を考えて指示を出してくれるのでフリーランス側からしても助かりますし、クライアントさんもしっかり案件に向き合う時間を持ちやすくなるため納得できる成果物に出来上がる可能性が上がります。
「何度でも修正可能!」
というのも一見魅力的ですが、これだと気づいた都度になることもありどちらも大変ですから、予め修正回数を決めてまとめて修正の指示を出してもらうようにすると仕事も進めやすくなり双方のメリットも大きいです。
納品者のミスがあったときの修正対応はあるのか
フリーランス側のミスで成果物に不具合があった場合、何日以内であれば無料で修正できるかなども決めておきましょう。
よくある日数としては、90日以内です。
ただクライアントさん側がなんとかしようとして、成果物に手を加えてしまった場合は修正が難しくなる場合もあります。
その時は修正できない旨も契約書に記載しておくと安心です。
キャンセル料
クライアントさん側の都合でキャンセルになる場合もあります。
その時は、キャンセル料についても定めておきましょう。
着手金がある場合は、キャンセル料を着手金とするとして合意する場合が多いです。
デザイン確定後の仕様書変更
突然、仕様書とは全く違う内容のものを求められる場合があります。
小さなものであれば特に問題なく修正出来たりもしますが、ガラッと変わりすぎる場合、特にデザイン確定後の仕様書変更は別途料金が発生するといった旨も契約書に含めましょう。
逆に含めなければ、ガラッと仕様書が変わったとしても報酬が変わらないまま新しい仕事がスタートするかのようなことも起きてしまいます。
こうなれば2回仕事をしているのと同じこと。
フリーランス側にとっても損ですし、クライアントさん側にとっても完成が遠のいてしまうためある意味損ですから、仕様書が変更された時にどうするかなどは最初に決めておくようにしましょう。
著作権はどちらにあるのか
納品した成果物の著作権はどちらにあるのかも契約書に明記します。
成果物なので、納品した時点で著作権はクライアントさん側にあると思われがちですが、実際のところは納品したあとも著作権がフリーランス側にあると明記されている契約書もあります。
例えばイラストや写真。
サイト制作を請けたとして、サイトに利用されているイラストや写真がフリーランス側のものであった場合は二次的に利用されないために契約書にも明記します。
成果物の形以外で使用する際はクレジットを明記したりトリミングや拡大縮小はどの程度いいのかまで細かく記載しましょう。
この記載を怠ると、後々トラブルになることもありますから注意してください。
秘密保持について
契約書には秘密保持も含みます。
秘密保持とは、クライアントさんの情報を第三者に開示しません・使用しませんよということです。
つまり、仕事で知った情報は秘密情報として扱うということで、こちらはクライアントさんと特に話し合って定めていきましょう。
不可抗力で業務が遅延したり完了できなかった場合
不可抗力で納品が遅れてしまうこともありますよね。
例えば今ならコロナウイルスなどで仕事ができなくなることもありますよね。
天災や不慮の事故などで納品が遅れてしまうことも多分にありえる話です。
そんな不可抗力で仕事が完了できなさそうなとき、どのような話し合いで対応を決めるかも決めておくと万が一のことを考えると安心です。
契約書をしっかり書くにはどうしたらいい?
契約書のポイントを見ても、正直どのように書いていけばいいかわかりづらいですよね。
そんな時は、契約書のテンプレートを利用することをおすすめします。
契約書のテンプレートには2種類、無料のものと有料のものがあります。
無料のものでも問題なく使える場合も多いですが、足りない項目があったりテンプレートが作られたのが前すぎる場合は自分が作りたい契約書に沿わない場合もあるので気を付けてください。
作る契約書に含めたい内容はどのようなものかをしっかりと書き出したうえで、テンプレートを決めると安心です。
また、有料のテンプレートは有料なだけあってしっかり定期的にメンテナンスされていることも多く使いやすいのが特徴です。
とても高いテンプレートを使う必要はないですが、ある程度の値段のものを利用すると痒い所に手が届くテンプレートを使用でき使い勝手も良く安心です。
実際私も有料テンプレートを利用していますが、無料のものと比べ使いやすく便利です。
契約書のおすすめテンプレ「Web業務委託契約のひな形10点セット」
ここで実際に私が使っているおすすめ有料テンプレート「Web業務委託契約のひな形10点セット」をご紹介します。
Web制作だけではなく、SNS運用などの幅広い案件のジャンルがあるテンプレートなので、これから副業に打ち込みたい方や既にフリーランスで活躍している方にマッチする内容のテンプレートです。
Web業務委託契約のひな形10点セットの料金と内容
価格 | 4,980円 (1点498円) |
テンプレート内容 | Web業務委託契約のひな形10点セット (制作、保守、SNS運用代行) |
利用制限 | 無制限 |
Web業務委託契約のひな形10点セットは4,980円。
Web業務委託契約のひな形なので、まさにWebのフリーランスの強い味方になってくれるテンプレートです。
4,980円と聞くと「テンプレートに4,980円も出したくない……」と考える方もいらっしゃいますよね。
しかし10点で4,980円、しかも使用制限もないので仕事に何度も使える分かなりコスパが良いです。
このテンプレを作った人は法務の仕事をしていた人!だから使いやすい
この内容で4,980円というのも安くて良いのですが、何よりもこのテンプレートを作ったわがいさんが15年から16年ほど法務の仕事をしていた方、だからこそとんでもなく使い勝手が良いテンプレートに仕上がっています。
しかもこのわがいさんは現在、Web制作に携わっている方でもあるので、使ってみたらわかるのですがこれほど痒い所に手が届くテンプレートってないんですよね。
法とWebを知っている人だからこその契約書テンプレートなので、「無料のものだと不安だな」と感じている方や「もうちょっと自分の業務にマッチしたテンプレがほしい」と考えている方は是非チェックしてみてください。
法とWebを知っている人だからこその契約書テンプレートなので、「無料のものだと不安だな」と感じている方や「もうちょっと自分の業務にマッチしたテンプレがほしい」と考えている方は是非チェックしてみてください。
まとめ
フリーランスこそ契約書をしっかりと作成しましょう。
契約書があることで、クライアントさんも安心できますし、しっかりした取引相手という好印象にも繋がります。
更に後々のトラブル回避にも契約書は必ず取り入れたいので、本記事を是非参考にされてください。
本記事で紹介したテンプレートもWeb業務に携わる人の力になります。
テンプレートに悩まれている方はこちらも併せて参考にされてください。